全日本大学駅伝 区間特徴
距離106.8km、名古屋・熱田神宮から伊勢神宮までを襷でつなぐ大学駅伝日本一決定戦。序盤のスピードバトルから中盤のごぼう抜き劇、後半のスタミナ戦まで、8区間それぞれがドラマにあふれる!
序盤のスピードバトル
熱田神宮西門前から名古屋市港区藤前まで。スタート直後から名古屋港エリアの小刻みなアップダウンが連続し、「序盤から飛ばしすぎると後半失速」のジレンマを突きつける。橋梁が多く風の影響も受けやすいため、スピードランナー同士の駆け引きが白熱。区間記録はピーター・ワンジル(大東文化大)が26分58秒で叩き出した驚異のペース(1km=2分50秒)。
ごぼう抜き区間
港区藤前から桑名市長島町まで。三重県入りしてからの序盤は平坦だが、中盤の日光川大橋、終盤の木曽川大橋という2つの大きなアップダウンが牙を剥く。過去には一気に13人抜き、17人抜きが飛び出す「ごぼう抜き区間」として名を馳せ、追い風時の爆走劇はまさに圧巻。
風との戦い
桑名市長島町から四日市市羽津まで。工場群の煙突を右手に見て走ると、四日市港特有の潮風が選手を迎える。微妙な平坦路だが、海沿い特有の突風や向かい風に翻弄されやすく、風向きを読むランナーがタイムを稼ぐ鍵を握る。
勝負どころ見極め区間
四日市市羽津から鈴鹿市林崎町まで。近年は区間配置や距離変更の影響で、高速ランナーだけでなくタフな選手も求められるレイアウトに変化。鈴鹿サーキットを彷彿とさせる直線と小刻みな起伏が続き、「勝負どころ」をいかに見極めるかがポイント。
暑さ対策区間
鈴鹿市林崎町から津市河芸町まで。距離中盤以降の下り基調でタイムを稼ぎたいところだが、晴天時には気温が急上昇しやすく、熱中症リスクも無視できない。服装と給水タイミングの見極めが勝敗を分ける「暑さ対策区間」。
平地の難所
津市河芸町から津市藤方まで。第5区に続く津市内区間。市街地の平坦路ながら折り返し地点を含む度重なるコーナーでペースダウンを強いられ、ジワジワと体力を削られる難所。「平地だからこそ油断禁物」の典型で、戦略性が問われる。
シード権の攻防
津市藤方から松阪市豊原町まで。8区間中2番目の長丁場。平坦基調ながら、ラスト1kmの新生橋を越える上りが「ラストチャンスのボス」となる。シード権や優勝を狙うチームは、この長距離区間でリードを奪うか、逆にここで粘って他校との差を縮めるかの駆け引きが熱い。
栄光のアンカー
松阪市豊原町から伊勢神宮内宮宇治橋前まで。最長かつアンカー区間。中間のJR参宮線高架越えから16km過ぎの皇學館大学前の上り坂まで、勝負所が目白押し。フィニッシュ直前の上りを制した者だけが栄光のゴールテープを切り、山梨学院大・モグスが2007年に樹立した区間記録55分32秒(1km=2分49秒)はいまだ破られず、伝説となっている。
※上記情報は一般的な特徴であり、大会状況により異なる場合があります。